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詩集 「あなたとおなじ風に吹かれた」
これからは
黒い身じたくであのひとはいま
車にのりこむ
そのとき あのひとを抱いた
わたしのなかに入っていてね
そしたら死なない
わたしといっしょに生きるのよ
立ったままだったけれど
あのひとは嬉しそうだった
ドアを閉める音がして
とまとの枝がわずかにゆれた
かおりが青くわたしを流れた
ゆめのなかだったけれど
あのひとにもういちど伝えた
わたしといっしょに生きるのよ
*
*類い稀な感性が紡ぎだす「死を貫く生」が、深い悲しみに染められている。
同時にやわらかな「ひかり」が湧きだして匂っている。まさに愛の絶唱だ。
森田 進
*倶子の透明感のある詩作品を愛するものです。俳優・粟津 號
〈第三回秋田県現代詩人賞 受賞〉
土曜美術社出版販売より2001年発行
A5判変形、上製本 定価 2200円(本体2,000円+税)
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